【愛着形成と心理的安全】自己肯定感と他者肯定感を高めよう!

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子どもの脳が健全に成長するためには、「愛着形成」と「心理的安全」が重要です。ただ、その前に「マルトリートメント」を防ぐことが前提になります。マルトリートメントについては以下の記事で解説しています。

愛着形成と心理的安全を作ってあげることで、子どもの脳は健全に発育します。そして、人生の基盤になる「自己肯定感」と「他者肯定感」が高まります。

子どもにはいっぱい甘えさせてあげて、安心できる環境を作りましょう。

愛着形成と心理的安全とは

愛着とは「アタッチメント」とも言います。アタッチメントとは「子どもが不安や恐怖などのネガティブな感情を持っているときに、保護者とくっつくことで安心を取り戻そうとする本能」です。

子どもが甘えてきたときに、ハグをしたり「大好き」などの言葉をかけてあげたり、できるだけアタッチメントに応えてあげましょう。こうして養育者が子どもと愛着を作ること=愛着形成が脳の健全な発育に重要です。

そして心理的安全とは、子どもが安心できる環境のこと。甘えられる人が近くにいて、さらに家庭の人間関係がいい状態=子どもが安心できる環境を作ることも、脳の健全な発育に重要です。

愛着と心理的安全ができないと脳の発育を妨げる

乳児から幼児期にかけて、子どもの甘えを無視し続けると脳の発育が妨げられます。

自己肯定感が低くなったり、やる気に重要な「線条体」の働きが弱まって意欲が弱い子どもになったりする可能性が高まります。 参照元*1 *2

また、子どもにとってはじめての社会である家庭の人間関係が悪いと、「他者肯定感」が育ちません。他者肯定感とは「他人を肯定的に見て受け入れること」です。

養育者がイライラして、喧嘩したり𠮟られたりする頻度が多いと、家庭の緊張感が高まります。

子どもが安心できずびくびくしてすごすことになり、他人を必要以上に警戒するようになってしまうのです。

このようにして他者肯定感が下がると、人のことを警戒しすぎたり、少しのことで怒ったりしてしまいます。他人と信頼関係を結ぶのが難しくなってしまい、社会生活で不利になってしまうのです。

逆に他者肯定感が高いと、人との信頼関係を結びやすくなり、コミュニケーションも円滑に。将来の社会生活でとても有利になります。

また、親や養育者が喧嘩などで暴力・暴言を受けるの見ることを「面前DV」と言います。

面前DVにより視覚野の一部である舌状回が萎縮し、IQや記憶力が下がるなど、知能面への悪影響があると考えられています。 参照元*3

このように愛着と心理的安全を作れないと、脳・心に大きな悪影響を及ぼします。

愛着と心理的安全の作り方

子どもの脳が健全に発達するためには、思い切り甘えられて、安心できる環境・関係性がとても重要です。

無償の愛情を注ぐ

愛着形成のためには「無償の愛情」を注ぎましょう。無償の愛情とは「そのままのあなたを愛している」こと。

無償の愛情を注いで、子どもが「ありのままの自分で愛されている」という自己肯定感を育めれば、色々なことに前向きにチャレンジできるようになります。

一方で、頑張ったときや結果を出したときだけ褒めて精神的な愛情を与える「条件付きの愛情」では自己肯定感が育まれません。「頑張らなければ認められない」「結果を残さなければ愛されない」という後ろ向きな感情で頑張るようになります。

「条件付きの愛情」で努力して、人並み以上の成果を上げる人もいます。しかし、ありのままの自分を肯定できないため、成果を上げることでしか自分を肯定できません。

「成果を上げなければいけない」という義務感で人並み以上の努力をするため、ストレスホルモンが出やすく、幸福度は高くありません。体調不良や能力不足で成果を上げられなくなったときに、とても苦しむことになります。

また、できない人や頑張らない人を肯定できず、人に対しても厳しくなってしまうのです。

何もしていないときでも、ハグや頬ずり、手を繋ぐ、なでるなどたくさんスキンシップをして「大好き」「愛してる」など「無償の愛情」を注ぎましょう。これが人生の幸福度を高めるベースになります。

ただ、そのためには親にも精神的な余裕が必要です。父親が積極的に育児参加をすることで、家庭にも余裕が生まれます。

家庭の人間関係を良好に

心理的安全を作るためには、家庭の人間関係を良好にすることが重要です。家庭の人間関係が悪く、怒声・罵声が頻繁に飛び交うような環境だと、先ほど解説したように脳に悪影響が及ぼされます。

子どもが常に警戒するようになってしまうと、危険を察知する部位である「扁桃体」が過活性して、ストレスホルモンが分泌されやすくなってしまいます。そうすると疲れやすくなり、他人を警戒しすぎるなど、将来の社会生活にも悪影響を及ぼすのです。

家庭の人間関係をよくするためには、家族のストレスを溜めないことが重要です。妻だけに家事・育児を負担させるのではなく、パパも当事者意識を持って、できるだけ分担しましょう。

子どものわがまま・いやいやはちゃんと育っている証拠?

感情をコントロールする前頭葉が発達していくのは4歳以降と言われているため、自分の気持ちをコントロールできなくて当たり前。

「あれがしたい」「こうじゃなきゃ嫌だ」と手のかかる子ほど、意欲が強い証拠であり、しっかり大脳辺縁系が育っているといえます。(親は大変ですが。笑)

逆にいつもびくびくして、親の顔色をうかがうようになると注意が必要です。

愛着に障害を持つ子どもは視覚野が減少して、不安や恐怖・心身症・抑うつなどと関連していると報告されています。参照元*4

もちろん生まれつき、比較的手のかからないおとなしい個性を持った子どももいます。生まれ持ったものなのか、見極めが重要です。

*詳細は別記事で解説予定。公開までお待ちください。

お金・物で甘やかすのは逆効果

重要なのは「精神的な愛情」を感じさせてあげること。親の考えで「こんなに色々買ってもらってこの子は幸せだ」と、スキンシップを怠るのは、脳の発育には逆効果です。

子どもはお金や物ではアタッチメントが満たされませんし、大人になってそれが愛情だったとわかっても、脳の発育に関係ありません。

お金の価値観がない幼児にとって、養育者の愛を実感することが一番の幸せです。惜しみなくハグをして、大好き・愛してると言ってあげましょう。言いすぎて逆効果ということはありません。

厳しくするのは目標に向かって頑張るとき

「子どもは厳しく育てる」という価値観を持つ人もいるかもしれませんが、脳の発育を考えると逆効果。

もちろんしつけで叱るときもありますが、普段はしっかりハグや愛情を表す言葉で、愛されていることを感じさせてあげてください。

厳しくしなければならないのは、叱責の厳しさのような「家庭の人間関係」ではありません。目標に向かって努力するときの基準・考え方です。

普段は無償の愛情を注ぎつつ、目標に向かって頑張るときは努力に高い基準を設定して「成長マインドセット」を育みましょう。

*詳細は別記事で解説予定。公開までお待ちください。

叱る基準

強く叱るのは暴力・暴言など人を傷つけること・危険なこと

子どもを強く叱り続けて恐怖や力でコントロールし続けると、自分の意志を殺すようになり、無気力になってしまいます。これは大人が上司から叱られ続けることで、意見を持たなくなるのと同じです。

また、暴力や圧力で問題を解決する手本を見せるようなものですし、親との関係も悪化して徐々に聞く耳を持たなくなります。逃げるために嘘をつくようにもなるでしょう。

なので、叱るのは最低限にしなければなりません。

参考までに、私は暴力や暴言などの人を傷つけることや、道路に飛び出すなどの危険なことだけ、強く叱っています。この点は、育児書によって意見が分かれるところ。幼い子に悪気はないから暴力であっても強く叱る必要はないとする育児書もあります。

叱ったときに子どもが受ける影響は、生まれ持った敏感さにもよります。子どもがびくびくして親の顔色をうかがうようになったら要注意です。子どもの様子をみつつ、叱りすぎないように気をつけて、叱る基準を決めましょう。

自然にできるようになることで叱らない

私は「いずれ自然にできるようになることで叱らない」ようにしています。例えば食事中に遊んだり、歩き回ったり、すぐに着替えができなかったりなど。

声がけはするものの、強く叱って従わせるのはやめましょう。食べるかどうかも本人に決めさせます。「自分で決める」「自分の意志が通る」感覚が自己肯定感を育むためにとても重要です。

早く着替えてほしい、早く食べてほしいこと、毎日のようにありますよね。でも、本人に意志がなければ、自分でできることでもやってあげましょう。年齢にともなって、自然とできるようになっていきます。

とはいえ、怒ってしまうこともありますよね。笑 落ち着いたらスキンシップを忘れずに。慢性化しなければ大丈夫です。

叱り方

強く短く

叱るとしても「強く短く」が基本です。「叩くのは痛いからやめなさい」など。長々と責めるように叱っても、怒られながら長い話をされても子どもは理解できませんし、不要に人格を傷つけてしまいます。

また、人を傷つけることや危険なことは「ダメなものはダメ」でもOKです。

人格を否定しない

叱るときに「ダメな子だ!」「バカ!」「泣き虫」など、人格を否定することは言わないようにしましょう。

幼児の自己評価は、親の評価の影響を強く受けます。バカだと言われると「自分はバカ」と感じて、自己肯定感が下がり、チャレンジしにくくなるのです。

また、人前で叱らないことも重要。抱っこしてでも、できるだけ人がいないところに連れていって叱りましょう。人前で叱って「恥」の意識を植え付けることにメリットはありません。

人と比べない

人と比べるのも辞めましょう。重要なのは今までの自分と比べて成長しているかどうか。人と比べる癖がつくと、人より勝っているかどうかで自分の価値を判断するようになり、勝ち続けなければ苦しい人生になってしまいます。

でも、どうしても親は他人の子どもと比べて不安になってしまうもの。こればっかりはしょうがありませんし、子どもの向き不向きや今後の課題を見つけるために活かせます。

本人の前で比べなければ問題ありません。

また、子どもが人よりできなかったときに「悔しくないの!?」など、反骨心をあおるのもNG。できなくても、本人なりに頑張っていればOKです。頑張っていれば、子どもは着実に成長します。

*詳細は別記事で解説予定。公開までお待ちください。

優しく諭すように話した方が伝わる

子どもを強い言葉で叱ると、恐怖で考えられなくなり、逆に伝わらなくなってしまいます。むしろ優しい声で諭すように話した方が、子どもが余裕を持って考えられるため、よく伝わります。

しっかり伝えたい大事なことほど、優しく諭すように話しましょう。

ギャン泣きしているときは何を言っても無駄

子どもがギャン泣き(癇癪)を起こしているときは、何を言っても無駄です。ハグをしてあげて、落ち着くのを待ちましょう。ハグすら拒否されるときは少し離れて、思い切り泣かせてあげてください。

落ち着いてきたら、ハグに誘うと甘えてきます。ハグしながら、優しく説明してあげましょう。

3回言ってわからないことは、今じゃない

子どもの理解力は年齢とともに上がっていきます。ていねいに3回説明してもわからなければ、まだその子の理解力では理解できないということ。

理解できないことで叱っても、無用に傷つけるだけです。なので、3回言ってもわからなければ諦めましょう。根気よく出来るようになるまで優しく声がけしつつ、親がやってあげます。

できたらすぐに褒めてあげる

声がけや叱った行動ができるようになったら、すぐに褒めてあげて、その行動を強化してあげましょう。こうすることで、成長する喜びを感じられます。

褒め方は「天才!」「頭いい!」など才能を褒めるのではなく、「頑張ったからできるようになったね!」「よく考えたね!」など、努力やプロセスを褒めましょう。

才能を褒めると失敗を恐れるようになり、努力しにくくなります。

*詳細は別記事で解説予定。公開までお待ちください。

愛着形成と心理的安全の効果

自己肯定感が高まる

愛着形成と心理的安全を作ることで自己肯定感が高まります。自己肯定感とは、自分を肯定する感覚のことです。人と比べるのでなく「ありのままの自分」を肯定できる感覚。

自己肯定感が高まると「根拠のない自信」がついて、ポジティブに生きられます。日々、色々なことに積極的に挑戦できるようになるのです。そして失敗後の立ち直りも早くなります。人生の幸福度を高めるために重要な感覚です。

親から「ありのままの自分を愛される」ことで、自己肯定感が高まります。そのために日常的に温かいスキンシップや言葉をかけてあげて「無償の愛情」を注いであげましょう。

また、着替えや食事などは自分でやるように促しつつも、自分でやるか親がやるかを子どもに決めさせましょう。子どもができることでも、子どもが「やってほしい」と言ったら親がやります。

なぜなら「自分の意見が尊重される」という経験により自己肯定感が高まるからです。

ちゃんと自分でやるように促していれば、年齢と共に自分でやるようになります。できるだけ「自分でやりなさい」と突き放さないことが重要です。

とはいえ忙しいと「自分でやりなさい」と怒ってしまいますよね。怒ってしまっても、スキンシップを継続しながら、次からまた子どもに選ばせてあげてください。慢性化しない限りは、やり直しが効きます。

他者肯定感が高まる

甘えられる人がいて、家庭の人間環境がいいと、子どもの他者肯定感が高まります。他人を信頼できて、人間関係にポジティブな感覚を持てるようになるのです。

家族仲をよくするためにも、父親が当事者意識を持って家事・育児を行い、家族・妻のストレスを溜めないことが重要です。

育児をしない夫に、妻がストレスを溜めることで家族仲は悪化しやすいでしょう。さらに妻が子どもの前で夫の愚痴を言うようになると、他者肯定感に悪影響を与えます。

両親が共に家事・育児を頑張る姿を見せることで、子どもも家事を手伝うようになります。そして人のために頑張ることをポジティブに考えるようになるのです。

また、母親の胎内から出てきた幼児は、母親を他人ではなく自分のことのように感じているそうです。そうなると、子どもが最初に出会う他人はパパ。パパと子どもの関係性がいいと、他者肯定感が高まります。

よく貯金や寄付をするようになる

温かい家庭で暮らす子どもはそうでない子どもよりも、小遣いをよく貯金して寄付する可能性が高い。中には自分の大学の学費を貯めていた子どももいる。参照元*5

お金は人生でとても重要ですし、子どもにお金で苦労をして欲しくないですよね。温かい家庭で育つことは、お金をよく貯金して慈善団体に寄付するなど、お金の扱い方にもポジティブな影響を与えます。

一方で、親の世帯年収は子どもの貯金額に影響しないようです。

こちらは筆者の主観ですが、家庭が温かいと子どもは精神的な幸せを感じられるため、無駄な消費をしなくても心が満たされるからではないかと思います。

逆に精神的な愛情を与えられず物だけを与えられると、物で幸せを感じるようになって浪費しやすくなるかもしれません。

まとめ

子どもの脳が健全に成長するには愛着形成と心理的安全の確保が必須です。「自己肯定感」と「他者肯定感」が高まり、人生を生き抜くベースになります。

愛着形成のために、子どもが甘えてきたときにハグをして「大好き」などの言葉をたくさんかけてあげましょう。そして心理的安全を作るためには、家庭の人間関係を良好にして、子どもが安心できる環境を作ってあげてください。

そのためには養育者に余裕が必要です。パパが当事者意識を持って育児参加をして、家族の負担を分散させましょう。そしてパパと子どもの関係性も、他者肯定感にとても重要です。

パパが育児参加をして、愛着形成と心理的安全を確保し、子どもの自己肯定感と他者肯定感を育みましょう。

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